ジョイクリニック神戸三宮 管理栄養士です。
年末年始は食事や睡眠もイレギュラーとなり、自然と疲れがたまります。
不規則な食生活や食べ過ぎが肥満を招き、肥満そのものが免疫力を下げる原因に。
乱れた習慣には免疫力低下を自ら引き寄せてしまうリスクを孕んでいるのです。
今回は免疫力を高める食材をご紹介します
👉免疫力とは?
ウイルスや細菌などの病原体をやっつけて体を守る抵抗力のことです。
免疫力が低下すると、風邪などの感染症にかかりやすく治りにくくなったり、疲れやすい、お腹を壊しやすい…といった状態になります。
がんなどの病気にかかるリスクも高まります。
食事は免疫力を左右する大きな要素
病原体をやっつける免疫細胞も、毎日、必要な栄養をとらなければ活動できません。
免疫細胞を元気にして免疫力を上げる食べ方の基本は、
体を温める食事をすること。
栄養バランスの良い食事をとること。特にたんぱく質とビタミンA・C・Eをしっかりと。
腸内環境を整え、食物繊維や発酵食品をとることが重要です。
体力・気力勝負な受験生やアスリート・お肌の弱いアトピー肌の方も食事は大事ですね
👉免疫を高める4つのPOINT
❶身体を温める ≪体を温める食材を摂り免疫システムをアップ≫
【注目栄養素】
ビタミンE…鰯・カボチャ・ほうれん草・キウイ・ナッツ
血行を良くし体温を下がりにくくする為、体がポカポカし毛細血管が広がり血液サラサラに!
鉄…あさり・ぶり…かつお・枝豆・納豆…厚揚げ・ほうれん草・小松菜、ほうれん草、豆腐、海苔
体温が下がるのを防ぐ鉄は血液中のヘモグロビンの成分です。
タンパク質…卵や魚、肉、大豆製品・乳製品
免疫細胞を作る材料になります。肉、魚、大豆食品などに含まれます。
❷腸内環境を整える《腸には身体全体の70%を占める免疫細胞が集結し、最大の腸管免疫システムが存在》
食物繊維…わかめ、めかぶ、ひじきなどの海草・こんにゃく・キノコ類・大根・キャベツなどの野菜や果物
免疫力向上につなげるには善玉菌の餌になる、水溶性食物繊維が豊富な食物を継続的に食べることが大事です
オリゴ糖…大豆などの豆類、野菜(たまねぎ、ねぎ、ごぼう、にんにく、アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワー、トマト、キャベツなど)・果物(アボカド、バナナ、リンゴ)
善玉菌のエサとなる重要な食材です。
発酵食…納豆・かつお節・ヨーグルト・味噌・醤油・みりん
植物性の菌のほうが過酷な状況で育つため、効果は強くなります、乳酸菌のほとんどは胃で死滅しますが、死菌でも効果に変化はありません。
❸皮膚や粘膜を強くする ≪ウイルスなどの侵入を防ぎ免疫力を高く保ちます≫
ビタミンB1・B2…豚肉・鰯・鮪・卵・ほうれん草・胡麻・焼海・しいたけ・豆類
ビタミンC…芋・果物・ビーマン・ブロッコリーキャベツ・緑茶
亜鉛…さば・アジ・豆腐・納豆・枝豆・焼きのり・ごま・卵
亜鉛は免疫細胞を活性化させ、異物に対抗する物質(抗体)の産生を調節する働きがある免疫機能。や免疫力アップに不可欠な栄養素。
鉄…ほうれん草・青梗菜・ごま…かつお・まぐろ・ひじき・厚揚げ等大豆類・牛モモ
鉄不足はシミやしわの原因になります。
鉄分は、真皮層に存在し、肌に弾力や潤いを与える「コラーゲン」の生成にも欠かせません。 不足するとコラーゲン不足から、真皮層の構造が緩み、肌全体を下から支える力が弱まります。
❹活性酸素を減らす 《抗酸化食材は免疫力向上に効果的》
ビタミンA… にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、春菊・パセリ、ブロッコリー、トマトなど特に緑黄色野菜・タラ・卵
ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保ったり、IgA抗体(外部からの異物の侵入を防ぐ粘膜免疫)を作ったりする働きがあります。亜鉛はビタミンAを粘膜にとどめて、喉の痛みや鼻づまりなどを改善する効果が期待できるため、ビタミンAは亜鉛と一緒に摂取するのが望ましいとされています
ビタミンE…ブロッコリー・ごま・菜種油など油脂類・魚介類・豆類・ツナ缶
ビタミンEは、活性酵素の働きを抑制し、老化の防止につながるとされています。免疫細胞は、活性酸素によって働きを阻害されます。
しかし、ビタミンEによってその機能を維持することができます。
ポリフェノール類…玉ねぎ・れんこん・りんご・みかん・きのこ・コーヒー・緑茶・豆類
ポリフェノールは、植物が光合成でつくる糖分の一部が変化したもので、細胞を老化させる活性酸素を除去するはたらきがあります。
一つの食品だけを多く摂っても免疫力がすぐに高まるわけではありません。食事全体のバランスをとることが基本です。
毎朝、1杯のみそ汁を飲むだけでも効果抜群!
免疫力がアップ最強メニューは「おみそ汁」です。
みそはミネラル、ビタミン、アミノ酸が豊富で、みその茶色い色素に含まれるメラノイジンは、抗酸化作用が強く、風邪や感染症を防ぎます。
具材に今回紹介した食材を加えると、さらに栄養価はアップ。
みそ汁に次いで食べてほしいのが「納豆」
みそや納豆などの発酵食品には、腸内環境を整える善玉菌が豊富に含まれています。
免疫力を上げるには腸内環境を整えることが必須です。
なにかとせわしない年始は、食事時間が不規則になりがちです。
夜遅くにたくさん食べてしまうと、翌朝起きた時に空腹感を感じにくくなり、朝食が食べられなくなることも。
栄養指導では食事の回数を減らし、食間を空けるダイエットを健康法を実践されているかたが、肥満や肝臓、腎臓の数値が悪くなり、ご相談に来られることが増えています。
1日の食事回数が減ると、食事間隔が長くなり、食べた栄養がより吸収されやすく、太る原因になります。
また、おなかがすきすぎることと、食間を空ければ食べても健康になるとの誤解から、好きなものを好きなだけ大量に食べるため、全体のバランスが崩れ、塩分過剰や脂質過剰などによる内臓脂肪の増加、検査数値の悪化などの悩みをご相談されるかたも増えています
食事時間や食事回数を普段と大きく変えることなく、不規則な食事を何日も続けないように心がけましょう