ジョイクリニック神戸三宮 管理栄養士です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)をご存じですか?
家族に‶いびきが大きい”と言われるようになった、日中に集中力がすぐ切れる、ひどく眠くなる、疲労が取れない…..。
このような症状はありませんか?
それらは 睡眠時無呼吸症候群(SAS) のサインの可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が怖い理由
激しい「いびき」や、睡眠中に 10 秒以上の「呼吸停止」が頻回に起こります。
その結果、日中のこらえきれない「眠気」や「頭痛」「倦怠感」といった症状が出ることで
交通事故をはじめとする、あらゆる事故を引き起こす危険性が高まります。
また、高血圧や糖尿病や脂質異常症などなどの生活習慣病や不整脈の悪化や原因となり、治療せずに放置すると生命に危険を及ぼす事があります。
適切な検査を行い、ご本人にあった治療を行うことが大切です。
下記のような症状が1つでもある方は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります.
太り気味。暴飲暴食してしまうことがある
高血圧、糖尿病、高脂血症などの既往がある。中性脂肪値が高い。
就寝できたのにも関わらず朝目覚めた時に頭の痛みや重み、疲れなどが残っている
会議中に寝てしまったり運転中にうとうとしてしまったりすることが多い
日中にウトウトしてしまう
寝ている時に呼吸が止まっていたと言われることがある
毎日のように大きないびきをかく
(中でも
SASは高血圧の原因となり、動脈硬化へ発展して心臓へ悪い影響を及す
SASの患者さんの約50%が高血圧を合併しているといわれています。
高い血圧が血管に負担をかけて、血管の内壁を傷つけ固くさせ、動脈硬化を引き起こし、
放置すると心臓病を発症するリスクが高くなります。
動脈硬化によって心臓の血管が完全に詰まってしまった状態が、心筋梗塞です。
心筋梗塞では胸の激しい痛みを伴った発作が長時間続くこともあり、突然死の危険もあります。
SASがあると、身体は寝ている状態でも、無呼吸から再び呼吸が始まるときに脳が起きた状態になります。
無呼吸と呼吸の状態が細胞を酸化させ、酸化ストレスによる影響を受け、血管が傷つきやすくなり、
それが血圧を上昇させる要因となります。
とくにSASがある人は、夜間や早朝に血圧が上がりやすく、
血圧を下げる薬を飲んでも血圧が安定しにくいのが特徴です。
SASに対するCPAP治療を行うことで、高血圧の薬の効果が出やすくなることがわかっており、
治療の相乗効果が期待できます。
交通事故の危険性を高める
SASが社会的な問題として取り上げられることが多い理由に、交通事故を起こすリスクの上昇があげられます。
SASによる交通事故は居眠り運転によるもので、重症度が高いほど、
短期間に複数回の事故を起こすといわれています。
なかでも、ひとりでの運転、高速道路や郊外の直線道路の走行中、渋滞で低速走行中などに
居眠り運転による事故が発生しやすくなります。
眠気や疲労感がある、不注意による交通事故や運転中にヒヤリとした経験がある人は早期に治療を開始することが重要です。
日中のパフォーマンスの低下
集中力を欠くことで仕事の効率が下がる、気分が落ち込む、起きた時に頭がが重い、だるい、昼間に
ひどく眠たくなるなどの症状が現れ、学業や仕事にも影響が出たり作業がうまく進まず性格も変わってしまったりする場合もあります。
患者さんの生活に社会的な影響を大きく及ぼし、信用の喪失や社会的経済的損失も大きくなります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因
❶肥満
肥満はSAS発症の最大のリスク要因となっており、複数の生活習慣病を合併している人も少なくありません。
❷生活習慣
・暴飲暴食傾向にある
・頻繁な喫煙、飲酒がある
・睡眠薬を頻繁に服用している
・閉経を迎えるた女性
❸体形
・首が太く、脂肪がついている
・下あごが小さい、抗体背している、小顔
・舌や舌のつけ根が大きい
・歯並びが悪い
☆並びが睡眠時無呼吸症候群に影響するのは、口内容積が小さくなることで舌がのどに押し出されやすくなるためです。
❹その他
・扁桃が肥大している
・花粉症やアレルギー、蓄膿症などで鼻が詰まりやすい人
・アルコールの摂取により筋肉がゆるんで、喉がふさがりやすい人
CPAP治療
CPAPとはContinuous Positive Airway Pressureの略で、持続的な気道にかける陽圧という意味であす。
一般的にはそれを利用した治療・療法を指示して呼ばれています。
これは、マスクを介し気道内に陽圧をかけ、気道の狭窄及び、閉塞を防ぐことを目的としています。
日本語では、経鼻的持続陽圧呼吸療法と言います。
CPAPのメリット
CPAP治療を開始すると、次のような良い効果があります。
眠りの質が良くなり、生活の質が上がる
運転事故の防止と仕事効率の改善
高血圧、心臓病、脳卒中の発症リスク低下
CPAP療法の治療効果には個人差があります。
一般的には治療を開始したその日から、熟睡感が得られたり、日中の眠気が軽減したりと治療効果を実感していただけます。
一般的に、重症の睡眠時無呼吸症候群ほど自覚症状が劇的に改善します。
軽症であればあるほど、自覚症状が少なければ少ないほど改善の実感が少ないようです。
たとえ自覚的な変化が実感できないとしても多くの場合、OSASによる脳血管系、
心血管系のリスクが減少するなどのされる等のメリットがあります。
医療機関へ御相談ください
SASは自覚しにくいにもかかわらず、放っておくと非常に危険な状態です。
ジョイクリニックでは、CPAP(シーパップ)外来を設置し、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断および治療をおこなっています。
家族や周りからいびきの指摘を受けたり、思い当たることがあれば、ご相談ください。